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不自然な死-創元推理文庫

Unnatural Death

舞 台-ロンドン、リーハンプトン 1927年4月~6月
探 偵-ピーター・ウィムジイ卿 37歳
発 表-1927年 79年前
著 者-ドロシー・L・セイヤーズ

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<あらすじ>
貴族探偵ウィムジイ卿と友人のパーカー警部が「死因に疑問をもった場合、捜査を要求するのが公衆の義務か?」話していたところへ、突然割り込んできた男がいた。自分は医者で、死因に疑問を抱いた患者の解剖を要求し解剖してみたが、自然死以外のなにものでもなく、その結果 悪評が立ち患者は皆無となり廃業せざるをえなくなったと。
男は詳細は告げずに去ったが、興味を持ったウィムジイ卿は調査を開始。リーハンプトンで、癌で余命いくばくもない金持ちの老女が、医師の予想を裏切り急死したというものだった。
殺害方法も動機すらも不明のまま調査を進めていくが、関係者が謎の自然死を遂げていき・・・

 ☆☆☆

「ハムレット復讐せよ」と同時に買ったらしいが、コレも買ったことを忘れていた。何で買ったんだろう?
ちょうど、バークリーの1927年作品を読んでいるところなので、同年発表のセイヤーズを読むのも一興かと。

印象深かったのは動機、というか 殺さなくてはならなくなった理由-でしょうか。
初めて聞いたよこんなの。読者の想像外の出来事だよね。
事件発生=発表がリアルタイムの作品だから、時事問題とリンクしていて、発表当時はセンセーショナルだったのでしょうか?

ロジャーシェリンガムものと全く対照的で、
ウィムジイ卿のカンは外れないし、
警部は素人探偵にこき使われるし、
犯人は大した必然性もなく犯行を続けて、最後はきちんと締めくくって終わるし-探偵モノの王道ですね。
まったく、『雉も鳴かずば撃たれまいに』が犯人についての感想。
最初の犯行は完璧なのに、その後も手を汚す必然性が感じられない。ただ、余計なこととしか。
自然死に見せかけられる殺害方法を見つけたことと
自分の頭の良さ
に酔って、犯行自体が楽しくなったということなんでしょうか。

ウィムジイ卿が捜査を始めなければ、ニッピーは死なずに済んだのでは。南無~

<気に入ったトコ>
ウィムジイ卿の有能な探偵助手クリンプスンさんの採用理由について

『当局がいろいろ聞き出したいと思っている。だが派遣されてくるのは?大きな偏平足と手帳を持った男だ-私生活を言葉にならない一連の唸り声ですませているような男。ところが僕は、編みかけの長い毛糸のセーターを持ち、首にじゃらじゃら音のするものをかけたご婦人を差し向ける。ご婦人はもちろん、いろいろ質問する-それこそが周りが期待していることだ。誰も驚かない。そのうえ、いわゆる余剰人口が好ましく役に立つ形で解消される。いつの日か、僕の銅像が立つに違いないよ。こう刻まれてね。
幾千の余剰女性を
その品位を傷つけることなく
また自らも処刑されることなく
幸せにした
人へ』P-44~45

クリンプスンさん最高

 ☆☆☆

東京創元社 2002年3月15日 7版
訳:浅羽莢子


Photo by clef

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