瓶ちがい-早川書房
舞 台-バッキンガムシア州 マーストン
探 偵-ロジャー・シェリンガム(38歳)
発 表-1929年 77年前
アントニイ・バークリー-36歳

<あらすじ>
マーストンに住むミセス・ブレイシーは胃を悪くし医者にかかっていたが、容態が急変して死亡。不審に思った医師の申し出により解剖すると、果たして急性の砒素中毒で、医師から処方された薬の瓶に砒素が混入されていた。
医師の処方ミスが疑われたが、警察は一転してブレイシー氏を逮捕する・・・
☆☆☆
26頁ほどの短編。
ロジャーが事件に関わるキッカケは、モレズビーがロジャーのところに遊びに来ていて、芳しい進展を見せないマーストン毒殺事件について
「だって、あなたは、そういうたちのことを、ほじくるのが、道楽なんじやありませんか?」
とけしかけたから。田舎の警察のことなので、モレズビー自身も関係ないんである。
で、ノコノコ出かけるロジャー。
短編だから、周囲もサクサク協力してくれてさっさと解決。
犯行手口は「ほぉぉ」と感心したけど、取り立ててどうという話ではない。
ロジャーらしさもまったく無いし。(上のモレズビーのセリフ以外は)
巻末解説を読むと、ハヤカワの『名探偵登場』シリーズにバークリーの(ロジャーの)作品を載せたかったのだが、短編自体が少なく 無理やり載せたみたい。名作『偶然の審判』は、他のシリーズで掲載済みだったので。
特に終わり方が、なんかよー分からんと言うか締まらないというか。
ロジャーのセリフで終わるのは『偶然の審判』と同じだけれど、雲泥の差。ストーリー自体はツマラナイわけじゃないけど、終わり方が一番よくないように感じる。バークリーらしくないと言うか。
巻末解説にも、ロジャーの情報は無いし、ワタクシには余り益のない本であった。
☆☆☆
ハヤカワポケットミステリ No.252 「名探偵登場Ⅲ」 1993年9月15日 3版
編:早川書房編集部
訳:砧 一郎