最上階の殺人-新樹社
舞 台-ユーストンロード近辺モンマスマンション
探 偵-ロジャー・シェリンガム(40歳)
秘 書-ステラ・バーネット
発 表-1931年 75年前
アントニイ・バークリー-38歳

<あらすじ>
昼食の約束でモーズビーの部屋を訪問すると、ユーストンロードのマンション最上階(4階)で老女が殺害されたとの連絡が入る。
昼食を抜いて、ヤードご一行と現場に駆けつけるロジャー。
モーズビーは、盗みの常習犯キャンバウエル・キッドの仕業と目星をつける。
犯人は4階窓からロープを垂らし逃走したと見られるが、ロジャーはロープはフェイクだと考え、マンション住人の内部犯行説を立てて独自の聞き込み捜査を開始する・・・
☆☆☆
面白かった!\(o ̄∇ ̄o)/
バークリー絶好調、ロジャー・シェリンガム エンジン全開!という感じ。
読み物の面白さに加え、バークリー発表作品順に読んできた流れから、なんと言いますか、
ロジャー・シェリンガムの花が今開いた!という ワーッとした上昇気流みたいなものを感じた。
推理はおいといて(泣)、小説としては、今まで読んだバークリーもので一番面白かった。
ロジャーもモーズビーも相変らずなのだが、ひょんなことから秘書として雇うことになってしまった 被害者の姪ステラ・バーネットが大変な女性で・・・
大変な美人だが色気は全くなく(「北極の氷を口説いた方がマシ」シェリンガム先生談)仕事一辺倒で、被害者の姪の癖に 事件に全く興味がない=先生の捜査の役に立たない-のである。
秘書なのでロジャーと過ごす時間が多く、ステラとロジャーのやり取りがこの小説の一番の見所だ。
愉快で気に入った言い回しがあった時は、ブログに書くつもりで付箋を貼っているのだが、
↓今回、付箋だらけになっちまった・・・

もう、面白い表現・台詞だらけ。
ステラの婚約者(「貧相でチビな蛙」シェリンガム先生談)もロジャーの上を行く失敬極まりない青年。2人は幼馴染だそうだが、その地域で育つととんでもない失敬な人間に育つのだろうか。水質調査とかしてみた方がいいかも。ステラも蛙も、ロジャーが哀れになるくらい超ド急失敬。
推理の行方は・・・
当たったと言えば当たったし、そうでないと言えばそうだし・・・
犯人は逮捕されスッパリ解決したし、ヤードでのロジャーの株も更に上がったし、円満解決?かな。
ロジャー、今回も寅さんです♪
<ネタばれがあります>
最後、ロジャーがステラにプロポーズして、間髪いれずに断られて(泣)終わる。
真田啓介さんが解説の最後に、ロジャーがステラにプロポーズしたことを理解しかねると書いていらっしゃる。
ホント、とんでもなく小生意気な小娘で、「いくら美人でも絶対ごめんだ」とロジャーも他の男性諸氏も思われて当然だろう。特に、軽率にプロポーズなどしない日本男性からすれば。
ステラが犯人じゃなかった安堵感と
誤解したことへの侘びの気持ちもあったろう。
でも、それが無かったとしても
バカ笑いから一転して自分を激しく見直し、「実は婚約していないんです。」と打ち明けた女性に プロポーズしなきゃ失礼だ!-とロジャーなら思ったんじゃないかと思うんですけど。
社交辞令以外のなにものでも無いので、断られて安心したんだよね。
私からすれば、ステラが辞めないことの方が不思議です。
バカにされきってるのか?ロジャー・・・お気の毒に。
☆☆☆
Top Story Murder
新樹社名作ミステリ 2001年10月5日 2刷
訳:大澤 晶
コメント
私も「最上階の殺人」は一番のお気に入り。
ステラ嬢をつれたお買い物シーンがうらやましくって。
私もあんなにバンバン買ってもらいたいな。
もちろんロジャーに。
そうそう、イギリスの婚約事情って、結構ノリが軽いよね。
お付き合いしましょ、ぐらいの勢いっていうか。
ロジャーがステラ嬢にプロポーズって、私はアリだと思うけど。
そういえば、「ウィッチフォード」で、ロジャーが結婚を考えた女性がいるようなことを言っていましたが、小ブさんは知ってる?
投稿者: くろにゃんこ | 2006年06月13日 08:47
こんばんわ~
身近にロジャーみたいな人がいたら、すぐに
「賭けをしよう。手袋3枚!いや 帽子と絹靴下と・・・」
という素敵な状況になりそうですね。
羨ましい。
ステラ嬢は良かったでしょうけど、いじめられた女性店長さんは可哀想でしたねぇぇぇ
>ロジャーが結婚を考えた女性がいるようなことを言っていましたが
そうそう!
確か、僕が結婚したい人は他の人と結婚しているとか~
アレクサンダー氏が「あ~」って引いちゃうシーンでしたね。
当時は、「ロジャーにもそんな辛い経験が」と思ったのですが、今となっては「アレックをからかったのかも?」という気もしています。
どう思われます?^^
投稿者: 管理人小ブ | 2006年06月13日 21:11
あ~、そういうことも考えられますね。
アントニィが引いちゃって、嘘だよ~んって言えなくなっちゃったとか。
そこって、シリアスで微妙な雰囲気を醸し出しているだけに、本当にあったことなのか、冗談だったのか判断がつきかねるところですね。
そういう深読みも楽しい。
ところで、さっき気がついたんですが、「文体の問題、あるいはホームズとモダンガール」のコメント、大変なことになってますね。
驚きました。
編集さんとかって、細かいところまでブログのチェックを怠らないのですね。
自分のところも見られているのではと、冷汗ものです。
投稿者: くろにゃんこ | 2006年06月14日 10:49
アントニィだって(笑)
アレクって書こうとしてたのに、バカね。
こんなところに、バークリー愛を発露してどうする。
投稿者: くろにゃんこ | 2006年06月14日 10:52
実際、どういうタイプが好みなのか?分かりませんよねロジャー。
>アントニィだって(笑)
あ、私も最初 アントニイと書いちまいました。
アントニイ・ウォルトンとかアレック・グリアスンとか紛らわし~(って、「ア」しか合ってませんけど^^;)
>編集さんとかって、細かいところまで
私の推測ですが、おそらく「書評wiki」から来られたんじゃないかと思っているのですが。もしそうだとしたら、くろにゃんこさんも見られてますよ~
書評wiki 早く直って欲しいですね。
あそこはくろにゃんこさんをはじめ、いつも参考にさせて頂いてる方々が投稿されていたので、「私もっ」と参加させて頂きました。
感想を書いてwikiに投稿するのが楽しみだったんですがぁぁ
なんか、マズい事に「アントニイ・バークリー」の投稿を最後に止まってるじゃないですか。(たぶんアタシ)
で、そんなこともあって文藝春秋社の方の目に留まることになったのかもと思っている次第です。
投稿者: 管理人小ブ | 2006年06月14日 14:36