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本陣殺人事件-TV 毎日放送

<ネタバレあります>


TV放映=昭和52年5月  27年前
金田一 =33歳
古谷一行=33歳

一柳賢蔵 =佐藤 慶
一柳三郎 =荻島真一
一柳糸子 =淡島千景

脚 本 =安倍徹郎
監 督 =蔵原惟繕


毎日放送の「横溝正史シリーズ」のDVDを一番所持しているのに、このブログでまだ一度も触れていなかったとはっ。

佐藤慶さんの一柳賢蔵は、田村さんと張るほどいい感じなのだが、ATG映画のところで書いた"賢蔵が雪を見てハッとするシーン"が残念乍ら無いのだっっ!

床杯を交わす為に、離れに一行が行く時
すでに 雪降っちゃってるのさ!
雪が降る中、花婿が花嫁さんに傘をさして離れへ向かうシーンは、”絵”としてはとても綺麗なのだが…


この作品の主役は、荻島真一さんの三郎だ。(ワタシ説)
原作では不肖の息子なのだが、京大に通うエリートに変わっている。
上品でエリートぶった いや~な感じ、金田一に探偵小説の知識をひけらかす嫌みったらしい感じ、マザコンの甘ったれで 強い兄さんには頭が上がらない情けないトコロ…
もう、ナーイスです。あなたの為の役ですこれは。(褒めてます)


毎日放送の「横溝正史シリーズ」は、映画に負けないほど素晴らしい出来の作品がいくつかあるが、この本陣殺人事件もその内の一つだ。
私的には、肝心な賢蔵のハッとシーンが無いにもかかわらず、そう思うのだから、本当に大したモノだ。

何が素晴らしいって、脚本だ。
原作のある物を映像化する際、改悪になってしまうことも多いが、この脚本は 本当に良く補ってくれました-という感じだ。

賢蔵と三郎の母・糸子と義弟の不倫関係が描かれるが、これは原作には無い。
また、糸子も"ご隠居"ではなく"美貌の未亡人"。
選民意識が高く潔癖な兄弟は、美しい母を自慢に思いながらも
最も軽蔑する人種-無教養で野卑な叔父に身をまかせる母を憎んでもいる。

そして三郎は、兄が新妻克子も殺す事を知りながら、計画に協力する。原作では、知らなかったことになっているのに。
兄の気持ちが分るからだ。

賢蔵の動機は、『克子が処女でなかった』ことが第一だが、これを金田一が口で説明するだけでは、久保銀造の「なぜ破談にしてくれなかったんだ。殺すことはないのに!」に、皆うなずいてしまう。

しかし、この作品では 『大切にしていた美しいモノが、軽蔑すべきものに汚された』ことへの憎悪と、それでもまだ美しい物への思慕を捨てきれない苦しさが、全編通して描かれているのだ。

瀕死の重傷を負いながら、美しく琴を奏でる母の元へ這って行こうとする三郎の惨めな姿を見ると、そういうことを賢蔵は潔しとしなかったのだと、殺人の動機が身に迫ってくるのだ。


何度でも見たいDVDです

 ☆☆☆

古谷一行さん1944年1月2日生まれ

三本指の男-東横映画

<ネタバレあります>


原  作=本陣殺人事件(昭和21年)
映画公開=昭和22年12月 57年前(執筆の翌年)
金田一  =33歳
片岡千恵蔵=43歳

一柳糸子 =杉村春子
白木静子 =原 節子


金田一映画の記念すべき第一作。
この映画も2年後の獄門島も執筆終了の翌年公開されている。
当時、片岡千恵蔵と原節子で映画にしてもらうって、渡辺謙と黒木瞳で映画化してくれるのと同じ様な感じなのかな。

当時の探偵映画をケーブルTVで色々見ることができるが、片岡金田一作品はその中では鑑賞に耐えうるものだ。昭和27年の「毒蛇島綺談 女王蜂」なんて、録画したテープを踏み潰そうかと思ったくらいだ。
女王蜂は酷すぎるにしても、当時 生活が豊でない人々が 金を払ってこんなものを見に来たのかと思うと、お気の毒で涙が出るような作品ばっかりだ。
そんな中で、片岡金田一モノ、特にこの三本指の男はそれなりの娯楽映画になっていると思う。

原作と同じ犯人・トリックではいけない風潮だったのか、この映画も原作とはかなり異なっている。
なんたって、三本指の男はアノ人だし…
なんで、三本指の男になるかなぁ。その発想にこそ驚きがあるよ。
「なぜ?」と問うたら、その答えは「千恵蔵だから」しかないね。

トリックは、密室じゃなくて 母屋と離れの間に秘密の地下通路があったという 怪盗ルパン的なトリック。
故に犯人も新家の兄さん夫婦になってしまったのでした。

原作では醜女の白木静子が、その綺麗な"名前"故か原節子さんが演じ、金田一の助手として爽やかな恋愛をスタートさせる。


終戦後の設定になっており=映画公開時とリアルタイム、当時の風俗が見られるのも、楽しみの一つ。
結婚式シーンがあるので、嫁入り道具がトラック2台で運ばれていくところや、花嫁衣装や、ハイカラな久保家のインテリア、花嫁が到着するところを村人(特に子供)が見に集まっているところなど。

当時は、
女性にぶっきらぼうで「はっはっはっ」と大声で笑う快男児が"モテル男"のタイプだったのかなぁ。


アタシはイヤ

本陣殺人事件-ATG 映画

映画公開=昭和50年9月 (29年前)
金田一 =33歳
中尾彬 =33歳

一柳賢蔵 =田村高廣
一柳鈴子 =高沢順子
白木静子 =村松英子
三本指の男=常田富士男


原作では戦前の話なのだが、この映画では現代に置きかえられていて、金田一耕介もヒッピー風のGパン姿で登場する。
奇しくも、原作の金田一と同い年の中尾彬さんだ。

昔の、スーツでバリッと決めた名探偵の金田一でもなければ、この翌年公開される石坂金田一以降のすっとぼけ フケ撒き散らし金田一でもない。
金田一像としては、特異な存在ではないか。

私は中尾金田一は結構好きである。
片岡金田一像や石坂金田一像の場合、(良し悪しは別で)「ホントにこんな人いるんか?」と思うが、中尾金田一は本当に居そうである。

時代設定は違うものの、話のスジは原作にかなり忠実に作られている映画への好感度とあいまって、中尾金田一の印象は良い。
特に、事件が解決した1年後、再度本陣を訪れて 鈴子の棺にお土産の人形をのせて見送るシーンはとても好きだ。
他の金田一さんは、過去の事件現場にまた来るなど想像し難い。
恩人の久保家に来たのだろうけど、鈴子にお土産を持って会いに来ているのだ。とっても暖かい感じがする。


一柳賢蔵は田村高廣さんだが、まさに"歩く一柳賢蔵"。(いや、そりゃ歩くか…)
お坊ちゃまで、偏屈な学者先生で、他人が机を触ったらアルコール消毒しそうな雰囲気満点だ。

この映画の名シーンは、その 歩く一柳賢蔵が 離れで雨戸を閉めようとして雪に気付き「はっ」とするシーン。
ココに尽きるね。
このシーンなくして、本陣殺人事件と言えるかっという位の重要シーンだ。
おみごと!歩く一柳賢蔵


その他ナイスキャスティングは
本当に死にそうな呼吸の三本指・常田さん
私も是非「静子お姉さまっ」とお呼びしたい、松村英子お姉さま

一柳糸子ご隠居は、今までずっと田中絹代さんだと思っていたのだが、東龍子さんという方だったのですね。


 ☆☆☆

映画情報

中尾彬さん 1942年8月11日生まれ

本陣殺人事件-角川文庫

<ネタバレがあります>


舞  台-岡山県の農村 旧本陣屋敷 離れ
殺  人-昭和12年11月25日 朝4時 (67年前)
金田一耕介-33歳

執筆終了-昭和21年 (58年前)
横溝正史-44歳


本陣殺人事件って雪の降り始めの頃だったなあと開いてみたら、「11月25日」殺人だった。11月下旬に読み直したのに、アップが今になってしまった・・・
作家の『私』(=横溝正史)が疎開先で聞かされた「妖琴殺人事件」を語るというスタイルになっている。

日本の密室トリックの中で、一番好きな作品だ。
何がスキって…
あの頭脳明晰な犯人が別の犯人を用意して、準備万端整えていざ決行しようとしたところ、『雪』という自然現象の為に『密室になってしまった』ということだ。

また、トリックで使う物がいかにも日本的じゃない!
日本刀の鍔・屏風・琴・琴糸・琴柱・石灯籠・松の添え木の青竹・鎌そして水車

私がアントニイ・バークリー(の毒チョコ)を好きなのは、あらゆる場合を想定して、偶然など入る余地の無いほどの緻密な計画を立てるところだが、どんなに緻密な計画を立てたところで『人知の及ばない部分』というものあるように思う。

ずさんな犯罪計画の場合は論外だが、この犯人は与えられた状況を最大限活用した。⇒つまり、『人事は尽くした』のだが、『天からは雪が降ってきて』しまったのだ。
だから、"雪が降るか降らないかの時期の話"って覚えているのだが。

殺人を決行する前に雪が降ってきたことは分ったはずだが、それでも決行したんだよね。推理小説マニアの弟や、昨今の殺人を演出するような輩なら中止したかもしれないが、この犯人にとっては「今日、殺す」ことが重要だったんだよね。動機好きのツボを刺激します。

田舎の旧家に奇怪な容貌の謎の男-は金田一モノではおなじみだが、

鮮やかな紅色の離れ(柱も天井も雨戸も紅殻塗り)
金屏風
琴の音
新婚初夜の惨殺死体
猫の墓
幼児の知能で天才的に琴を弾く美少女
水車の響き

おどろおどろしいわぁぁぁ~

謎解きの中で金田一が、ホームズのソア橋事件をヒントにしたのだろうと述べている。石の重りと紐の単純な構成が、水車と琴糸を使った複雑なトリックに発展しているのだが、凶器を運んでいく動力に"水車"とは、良く思い付くものだ(横溝正史が)。


それにしてもなぁ
新婚初夜の夫が、自分を殺すことを硬く心に決めながら 水車の「ゴットン…ゴットン…」という音が聞こえるまで じっと隣で息をひそめているなんて。
結婚前のお嬢様方の必読書にした方が良いね。
殺されることはないにしても、
伴侶になる人に全てを話すことが最善の道ではないということは、小説ではなく事実だと思うよ。

幽霊男-角川文庫

舞  台-東京 神田神保町 共栄美術倶楽部 1月22日夕方~
執筆終了-昭和29年 50年前
横溝正史-52歳

24時間金田一で放送されるので、また読み返してみた。
あまり印象に無く、誰が犯人か1/3位まで思い出せなかったほどだ。

なぜ『幽霊男』(ゆうれいおとこ)なのかというと、犯人と思われる男のペンネームが『佐川幽霊男』(さがわゆれお)だからだ。
舞台となる共栄美術倶楽部はヌードモデル仲介業者で、モデルさん達が次々に殺されていく話だ。

殺されたヌードモデルの足だけが(撮影会場の)美しいお花畑に置かれているシーン、残りの体が池で湯浴みのポーズを取っているシーンが印象的だ。
切断された上半身が池から出ているのは、犬神家と逆だな。

金田一耕介がホテルのボーイに扮して出てくるという、明智小五郎的シーンもあります。
珍しいよね、金田一さんの変装。
晩年の作品であり、しかけも複線も良く出来ていると思うが、良く出来すぎていて(矛盾が無くて)あまり印象に残らない
犯人の動機が(ワタシ的には)大した事ないからかもしれない。
横溝的おどろおどろしさ(怨念とか)は全然ない。

<今回の不適切Word>

「旦那、もし、それがほんとうなら、あっしに顔を見せて下さいよ。あっし、そういうむごたらしいのを見るのが大好きで・・・・・」
P-170~171 生き人形つくりの名人・河野十吉→包帯の男(幽霊男)

次回のいけにえの人形を名人にオーダーに来た幽霊男。
なぜ顔に包帯をしているのかとたずねられ「女に硫酸をかけられた」とごまかしたところ、名人のお言葉。
名人は名人でも、お化け屋敷などの血みどろな生き人形を作らせたら右に出るものが無い-という方なので。


マダムは三ぶにあいにきてくれたの?また三ぶを愛してくれるの?ねえ、そうなんだろ?三ぶは・・・・・三ぶはうれしい
P-187 大病院の外科医長 高名な医学博士・加納三作博士→ヌードの女性

どうしたんだ加納博士!壊れちゃったのか!!
三ぶって、あんた・・・

智子と秀子

神尾秀子     :大道寺智子
岸 恵子   46才 : 中井貴恵  21才 (1978年 東宝映画) 石坂浩二
岡田茉莉子 45才 : 片平なぎさ 19才 (1978年 毎日) 古谷一行
小川知子   41才 : 井森美幸  22才 (1990年 テレ朝) 役所広司
沢田亜矢子 45才 : 墨田ユキ  27才 (1994年 TBS) 古谷一行
池上季実子 39才 : 川越美和  25才 (1998年 フジ) つる

東宝の女王蜂で、主役は神尾秀子になってしまい、その後 岸恵子→中井貴恵の力関係がずっと引き継がれている。
上の配役を見ても明かだが、どー見ても主役は神尾先生だ。

黒蜥蜴と女王蜂は、激美人でなくてはイヤ

神尾先生を魅力的な女優さんが演じるのは賛成だが、智子を何とかしてくれ!
それとも、"現実の"神尾先生は、自分より綺麗なコムスメが智子役をやる事を許さないのだろうか?
そういうこともありそうだな。

この中でかろうじて許せるのは、片平なぎさ19才(←重要)
目がとっても大きくて、少女から女に変わる途中といった感じの瑞々しい感じがよく出ている。

井森美幸さんは好きだが、なぜ彼女に大道寺智子をやらせるのか全く理解不能だ。
役所金田一だけでなく、警部までが智子に惚れているという設定で、周囲の男性全員が無理に智子に惚れているフリをしているのが、非常に痛々しい作品だった。

このテレ朝作品は、台詞が原作本通りの部分が結構あり、小川知子さんの熱演で良い作品になりそうなのに、ここでもまた智子と多門連太郎(川崎麻世、ああ)がぶち壊していた。

神尾先生は小川知子さんが一番好きだ。
岸恵子さんや池上季実子さんは、華やかさが消しきれてないが、小川知子さんは「ずーっと女性である事を抑え続けてきた」感じがして、迫力がある。神尾先生の一番重要な部分だ。


 ☆☆☆
岸恵子さん 1932年8月11日生まれ
岡田茉莉子さん1933年1月11日生まれ
小川知子さん1949年1月26日生まれ
沢田亜矢子さん1949年1月1日生まれ
池上季実子さん1959年1月6日生まれ

中井貴恵さん1957年11月27生まれ
片平なぎささん1959年7月12生まれ
井森美幸さん1968年10月26生まれ
墨田ユキさん1967年11月3生まれ
川越美和さん1973年1月3生まれ

女王蜂-東宝映画

事件解決=昭和26年6月 53年前
映画公開=昭和53年2月 26年前
金田一 =38歳
石坂浩二=37歳
市川崑 =63歳

私にとって、こんなに評価の難しい作品はない。

<どうしたんだ市川崑>
この作品は言うまでもなく『女王蜂』である。
主人公は、彼女の美貌に群がる男達が次々と死んでいく 超美少女 大道寺智子である。
野々宮珠世も宮本音禰も皆「見たこともないような美女」だが、その中でも智子は”源頼朝の寵姫の末裔”という その辺のポッと出とは訳が違う由緒正しい美女なのである。
ストーリーに花を添えるために美女が出ているレベルではない。
智子が勝気の超絶美少女じゃないと女王蜂にならないじゃん。この話の要だ。
しかーし!
中井貴恵さんは綺麗な方だとは思いますが、女王蜂ではありません。新人という事で、演技も何ともハヤだし、あの中途半端な髪型も…
加えて、もう一人の重要人物 多門連太郎も軽すぎる扱い。
市川監督、原作では主人公コンビのこの2人に、全く力入れてません


<さすがだ市川崑>
前三作 犬神家・悪魔の手毬歌・獄門島の犯人全員が出演しているという、本当に豪華な配役で、年配俳優さん達の豪華ぶりには、目を見張るものがある。
てゆうか、(原作では)主人公の若い2人以外は全員豪華?
有名だから豪華というのではなく、皆さん本当にいい演技されてる。
高峰三枝子さんの東小路隆子・岸恵子さんの神尾秀子は、犯人だった作品よりもしっくり合っている様に私は思う。特に、岸恵子さんは 私の中では青池リカではなく神尾秀子だ。

高峰さんの出演シーンは多くはないが、さすがは本当の華族のご出身。
お茶会で挨拶されるところなど、気品といい貫禄といい、演技以上のものだ。
三木のり平さんの提灯屋のオヤジ&草笛光子さんのちんどん屋カップルも、とてもいい!

しかし、脇のダントツは、加藤武さんの等々力警部だろう。
「よしっわかった!インタビュー」で警部のキャラクターは作品中でだんだん作られていったというような事をおっしゃっていたが、4作目にしてバッチリ固まった-ように見える。
市川金田一シリーズの映画で、女王蜂の等々力警部が私は一番好きだ。


<年のせい?>
化粧品会社とのタイアップのせいか、新人の中井貴恵さんを使わざるを得ず、力を入れられなかったのかもしれないが、視点が(つまり主人公が)大道寺智子・多門連太郎→神尾秀子・大道寺銀造になっている。
監督が63才の時の作品だが、20前後の若者のドラマよりも、40代熟年のドラマに心引かれたのだろうか。熟年俳優さん達の出演シーンは、ホント素晴らしいわ。


動機・背景好きの私としては、昔の事・周囲の人達がこんなに生き生きと表現されているのは大好きなのだが、いかんせん智子が。
これで智子が魅力的だったら、完璧ですね。
熟年層を中心にドラマを作ったとしても、女王蜂の智子は ピリっとスパイスが効くように女王蜂であって欲しかった。

残念!

 ☆☆☆
映画紹介
市川崑監督 1915年11月20日生まれ

獄門島 総集編-東横映画 3

磯川警部役で大友柳太朗さんがでている。
金田一が洋装のダンディなら、警部も負けていない。
外人顔で頭が小さく背も高いので、ジェームズボンドかと思うような好い男だ。

しかーし、早口で一本調子の話し方はほとんど聞き取れず、日本語の分からなさも外人並だ。
警部「で、金田一さん 次は何をするんです?」
金田一「警部さん、それはあなたがお決めになることですよ。」
警部「ですから、あなたに聞いているんです。で、何をするんです?」
(だと思う、何せ聞き取りにくいので)

金田一がいなければ、夜も日も明けぬ頼りっぷりだ。
加藤武さんの等々力警部と正反対だ。

私は大友柳太朗さんというと、「タンポポ」のラーメンの先生-チャーシューに「あとでねっ」と愛情を込めるシーンを思い出す。

イロオトコ鵜飼章三役は、島田照夫さんという人だ。
ヒロミ・ゴーに似ている顔。
犬神家の謎 悪魔は踊るにも、スケタケ役(菊人形首のみ)で出ているらしい。
鵜飼はナヨっとした色男で、スケタケは"壁"のようなごっつい四角い男だったと思うが、ずいぶん違うタイプだな。

片岡千恵蔵金田一

スマートな名探偵らしい

天知 茂の明智小五郎がそのまま出ていると思って、ほぼ間違い無い

以上

獄門島 総集編-東横映画 2

<驚き2>
片岡千恵蔵さんが、、金田一耕助と鬼頭嘉右衛門の二役

金田一耕介=33才___鬼頭嘉右衛門=78才
石坂浩二_=36才____東野英次郎 =70歳
片岡千恵蔵=45才____片岡千恵蔵 =45才

三本指の男でも二役で、何役も演じるのが千恵蔵さんのお約束だったらしい。

それにしてもなぁ。
石坂金田一以降を先に見た私としては、石坂浩二が、古谷一行が、嘉右衛門じいさんを演じるところなど、想像もつかない。
じいさんと孫だよ!(金田一は孫の千万太の戦友)

東宝映画の鬼頭嘉右衛門 東野英次郎さんは初代黄門様で有名だ。
黄門様のイメージが強すぎて、どうしても嘉右衛門じゃなくてブラック黄門に見えて困る。
石坂さんとは黄門つながりだが、石坂さんが黄門を演じたのは60才になってから。獄門島からは24年も後の事だ。

見たことある顔も何人か

千石規子-月代ちゃん
ホンワカしたおばあさん役でお見かけする千石さんが、10代の役で出演!

原 泉(原 泉子)-祈祷師おかね
意地悪そうなおばあさん役でお見かけする原さんが、怪しい祈祷師役で出演
あんなに昔から、老け役だったのですか?
「犬神家の一族」では、松子のお母さん役でしたね。
「悪霊島」では、いきなり死体写真で登場しましたね。
伊丹監督の「タンポポ」で、スーパーで果物やチーズをグニグニして店長にハエ叩きで叩かれる老婆役でしたね。

原さんには、是非『推理図書館』に掃除のおばあさん役でいて欲しいです。

獄門島 総集編-東横映画 1

事件解決=昭和21年10月
執筆終了=昭和23年
映画公開=昭和24年 55年前 (事件の3年後、執筆の翌年)
金田一 =33歳
片岡千恵蔵=45歳

昭和24年11月「獄門島」12月「獄門島 解明篇」と2本で上映された物を、1本にまとめたのが「総集編」。1時間もカットしてあるらしいので、そのままの物を見たかった。

物語の舞台とほぼ同年代に制作公開されたのが興味深い。
当時の白黒映画を見ると、みーんな台詞棒読み・無表情で、とってもへたくそに見えるのだが、フィルムが古いせいじゃないよね?

片岡千恵蔵金田一の映画は、もう1本「三本指の男」(本陣殺人事件)を見たが、私が見た白黒(古い)推理映画の中では、上出来の方だと思う。

冒険活劇?というか、勧善懲悪というか、明快というか、
後年の金田一映画のねっとり感はなく、とてもさばさばした感じがする。
昔の漫画=簡略化・デフォルメされた絵で、驚くシーンでは『ジャジャーン』と書いてある雰囲気?
比較すると、後年の金田一映画は、緻密に書きこまれた劇画だろうか。

漁師 竹蔵の初登場シーンは、まさに「ジャジャーン」という感じだ。
なぜか、顔に傷+片腕の男になっているが、ムダに脅かしているだけで、それ以上のなにものでもない。
そんなシーンはいくつかあるが、映画自体は全然恐くないのだ。

??????????

皆が演技へたくそな中、本家の三人娘が、以外や以外 原作通り 明るくイっちゃってます。
後年の三人娘さん達に見られる「本当の私は違うけど、頭おかしい役なの」的ためらいが全く無く、私が見た中では、一番イメージぴったりの三人娘。


<驚き1>

なんと、ごくもんじま
と言われています。耳慣れた”ごくもんとう”ではないのです。

も1つ、”わけ”鬼頭ではなく、ぶん鬼頭。

つづく…

 ☆☆☆
映画紹介
片岡千恵蔵さん 1904年1月20日生まれ

獄門島-東宝映画

事件解決=昭和21年10月  58年前
金田一 =33歳
映画公開=昭和52年     27年前
石坂浩二=36歳

<ネタバレがあります>


犯人が原作と違う。
市川監督は「美女が犯人」にこだわっていた様なので、「三匹のジジィが犯人」は変更されてしまった様だ。
この事で、ワタシにとっては面白くない作品になってしまった。
「獄門島の謎1」で書いたが、実母が息子の為に殺人を犯すというのでは、「一のために邪魔な3人娘を殺す」というタテマエ理由そのものになってしまい、あの死体デコレーションの意味が無くなってしまう。

お勝が、世話になった和尚の身代りに実行するというならまだ救いもあるが、和尚は既に自分の役目を果たしてしまい、特に世話になったわけではない村長と幸庵の代わりを勤めただけだし。

獄門島の謎1と2に対し、一の実母を登場させ犯人にする事で、一応たいていの人が納得する理由付けがで来ている。
「なぜ三人娘は殺されなければならなかったか」→実の息子に本鬼頭を継がせるため
「千万太はなぜ妹達が殺される事を知っていたか」→勝野が知らせた

これじゃ、横溝正史の横溝正史たる"異様な世界"にならないじゃん。
だいたい、この計画を何とかしようと千万太に知らせておきながら、自分で殺すなんておかしいよ。


太地喜和子さんが絶品
ほんとーーーーに、原作から抜け出たかのような見事なキャスティング
お志保(映画ではトモエ)さんは、この人をおいて他に無い。
今後、何作獄門島が作られようと、この人を越えられる人はいないだろう。

事故で亡くなられたんですよね。もったいないぃぃぃ


名台詞
ご用は済んだの? そぉぉぉ~。 それじゃっ 失礼しましょーかねっ


  ☆☆☆
映画紹介
石坂浩二さん 1941年6月20日生まれ

市川崑監督の映画

<好きなトコロ>
常連の脇役が絶妙
小林昭二さん・草笛光子さん・三木のり平さん・大滝秀治さん達を見るためだけに、これらの映画を見ても良いと思うほど、どの話でも良い味出してるね。

警察が金田一を軽んじている
「名探偵」になると、警察が探偵の手下みたいになって、名前を聞くだけで全面協力のような話運びになるケースがある。探偵の視点から見る推理物は、その方がいろいろ都合が良いのは分るが、リアリティは全く無い。
加藤武さん演じる警部が、いつも胡散臭そうに金田一に接し、「探偵なんて、いい加減なもんだ!」というスタンスが非常に好み。
そういう態度でいるからこそ、金田一のおかげで解決した後、「金田一君、また会おう!」と去っていくのが、心に染みる。

<嫌いなトコロ>
”字”がイヤ
出演者名の


坂浩二

のデザインが嫌い。神経に障る。
当時はアレがかっこ良かったのだろうか?
お好きな方もいらっしゃるのだろうが、区切るべきところで区切る・納まるところに納まっていないものは、違和感を感じさせることが多いだろう。
違和感=インパクトと勘違いしないで欲しい。
”不快感”を煽っても、マイナスなだけだ。

作中に、説明文章が入ることがあるが、
「…このへんは、
  土葬であった。」
なんてのが、おもいっきり明朝で映るのだが、フォント慣れしている身としては、すごく安っぽく感じる。
手書き風の方が余程雰囲気合ってると思うのだが。

紙芝居のような演出がイヤ
人の動きが止まって、フラッシュバック?の様になる所が多々あるが、あれが嫌い。
非常に目障り。神経に障る。
石坂さんの金田一がいまいち好きになれないのは、この演出が非常に影響している。

獄門島-不適切Word

現在では様々な立場から「不適切」として使われない言葉も、昔はバンバンに使われていた。
その、ダイレクトな表現が胸を打つ。

原作に出てくる、ビックリした台詞をいくつか。

「与三松の旦那は、なんしろ阿魔(あま)に鼻毛を読まれてるんだから、女のいうことをなんでもきく。」
p-244 床屋の清公→金田一

映画では三木のり平さん演ずる床屋の大将が、三人娘の母お小夜のことを説明中。
分かり易いねぇ

「このごろ夜遊びを覚えて困ってしまう。きっと牡猫(おすねこ)の味を覚えたんだよ。人間も猫もおんなじだねぇ、~」
p-261 お勝さん→了沢さん

行方不明のミィ(実は重要な役回り)のことを、了沢さんに訴えているお勝さん。
お勝さん、可愛い猫になんてこと言うんですか!しかも、うぶな了沢さん相手に…

どっちも、今こんな言い方しないよなぁ


<今回のマジ不適切Word>

と、和尚はすごい微笑をうかべ
「あの三人の娘というのが、そもそも、殺して惜しいような人間でもなかったのでな。
p-325 了然和尚→金田一

『釈迦牟尼仏八十一代目の法弟』様のお言葉でございます。
了然和尚が法務大臣だったら、死刑執行はえーだろうな。

獄門島の謎2

<ネタバレあります>


ワタシ的謎2
千万太はなぜ、妹達が殺されることを知っていたのか?


「獄門島」は、鬼頭千万太が
「島へ行ってくれ…獄門島へ行ってくれ…妹達が殺される…いとこが…いとこが…」
と、金田一に頼んで息絶えることから始まる。

この、謎のメッセージが話全体の不吉な雰囲気を増幅し、”謎の復員兵”はいとこの一で、三人娘を殺してまわっているのでは?と想像させたりする。

「なぜ千万太は知っていたのか?最後は何を言いたかったのか?」の疑問は、見ていても読んでいてもずっと気になっていることだ。

映画では、嘉右衛門の企みを知ったお勝さんが、戦地の千万太に連絡したことになっている。
原作では、終わりの方までずーっと謎で、結局真実はわからなかったのだけれど、
金田一の推理では、


ワタシの納得
召集礼状の来た千万太と一を前に、嘉右衛門自らが話したのではないかと。

二人が戦争に行く前から殺人計画(見立てごっこ)を練っていたとは、
殺る気 満々だな、嘉右衛門

謎1の答えともあってるね。

獄門島の謎1

<ネタバレあります>


ワタシ的謎1
三人娘は、何故殺されなければならなかったのか?

映画・TVの獄門島の印象は、あまり良くなかった。
獄門島と言えば、梅の古木に逆さづり・寺の鐘に閉じ込め死体が印象的な、
横溝作品でも 死体デコレーション ウェディングケーキ級の作品だ。

動機・背景コダワリモノの私としては、遊びが酷ければ酷い程、それなりの動機・背景が無ければ納得できない。

犬神家の菊人形飾りは、「女には首は切れないから」犯人を庇う偽装だった。
悪魔の手毬歌の歌見立ては、その歌に詳しい奴に罪をなすりつける偽装だった。

その点、獄門島は”殺す動機”からしておかしい。
『一(ひとし=分家の息子)に家を継がせるのに、本家の娘が邪魔だから』というのが、何度も出てくるもっともらしい理由だが、

『一に全財産を譲る』と、ジジィが遺言を書けば良いことではないのか?

悪知恵を働かすどころか、まともに話すこともできない娘達に対し、それ以上に何が必要か?
2年後の昭和23年「犬神家の一族」では、赤の他人に全財産を残すという遺言を書いた為に殺人事件に発展するというのに、
この話では、
自分の孫に財産を残すという遺言を書かなかった為に殺人がおきるとは。

和尚や村長や医者が、雁首揃えて、そんなこともアドバイス出来んかったのか?
後で飛び込み自殺するくらいなら、もっと建設的なアドバイスでもすりゃーいいのに・・・などと思いながら見ていた。

映画やTVはおどろおどろしさ前面で、先程の 頭の悪い動機+嘉右衛門の執念が犯人達を動かしたみたいな雰囲気ノリで、私には消化不足な作品だった。

原作を読んだ ワタシの納得
みんな、死体を使った見立てごっこがしたかった

原作では、獄門島も・島民も 異常であると、しつこく述べられている。
娯楽の極めて少ない場所・時代に、島で”太閤さん”と呼ばれる大金持ちの権力者の遊びは、俳句や見立てごっこ。
例えば「見立て料理あわせ」。各人お題を渡されて、それに見立てた料理を作ってくる。
そういう遊びについて、後半説明されている。

隔絶された島で王様状態の嘉右衛門の究極の見立てごっこは、
美少女の死体を使った俳句見立て

一応人間だから、むやみやたらに殺すわけにはいかない。
一のために邪魔だから殺すのではなく、見立ての材料に(死んでもかまわない)美少女の死体が欲しいのだが、殺人の大義名分として理屈をつけただけのように思われる。

嘉右衛門は、このプランを練りに練り、倒れて半身不自由になった時には『片手で殺せる方法』(→月代ちゃんね)まで練っているのである。
病気で自分が実行できないと分かると、ごっこ仲間の和尚達に依頼。

和尚達も、完全にごっこフリークだ。
一のために殺すだけなら、あんな演出全く必要ないもの。
見立てが主だから、あのような"殺人犯"にとっては危険な手の込んだことをしたのだ。
見立てが主だから、死体を前にした坊主が
「季違いじゃが、しかたながい。」なんていう、「句会の最中ですか?」的とんでもない名ゼリフを吐いてしまうのだ。

最後、1人はショック死・1人は発狂・1人は逃亡・・・
クラスのガキ大将に、無理に変な遊びをやらされたいじめられっ子みたいでお気の毒。

なぁんだぁ~、見立てごっこがしたかったのかぁ~
料理じゃなくて、殺人というところに大きな問題はあるが。
原作を読んで、激しく納得。読んで良かったです。

謎2へつづく~

獄門島-角川文庫

事件解決=昭和21年10月  58年前
金田一 =33歳
執筆終了=昭和23年     56年前
横溝正史=46歳


犬神家の一族・八つ墓村・獄門島など 映画になっているビックネームは、映画で見て話を知っているので、原作本を手に取る優先順位はかなり低かった。
ふとした折りに犬神家を読み、映画では描ききれない詳細部分が分って、早く読めばよかったと思ったものだ。

獄門島は、市川監督がインタビューで「原作では一番良く出来ている~」というようなことを言っているのを聞き、読んでみることにした。


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※金田一耕助の年齢について
諸説あるようですが、大正2年生まれ(1913年)で計算しました。
以降、当Blog内では同様とします。

「獄門島」P-10に「年齢は三十四、五というところだろう。」とあり。

 ☆☆☆

横溝正史さん 1902年5月24日生まれ

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