カテゴリ『その他の推理小説』の記事|TOPページへ戻る

水中の死体-EQMM

The Body in the Pool

舞  台-米 フロリダ 1953年6月15日
著  者-ルーファス・キング

pool.jpg

上には上が。

復刻版EQMMの中で、一番魅力的な人物は この主人公ウエイヴァレイ夫人でした。

 ☆☆☆

Rufus King
早川書房 『復刻エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジンNo.1-3』1995年10月31日初版
『エラリークイーンズミステリマガジン』No.1 1956年8月号掲載
訳:峯岸 久

ジャラッキ伯爵釣りに行く-EQMM

Count Jalacki goes fishing
続き「ジャラッキ伯爵への手紙」A Note to Count Jalacki

舞  台-米 タイアマラ・ビーチ
探  偵-ポジオリ教授
著  者-トーマス・S・ストリブリング

jala.jpg

珍しい殺し方
推理小説の『変わった凶器』一覧に必ず入りそう。
そのものの名前を見ただけでは、どうやって殺したのかも想像つかないだろうし。
ものすごーく犯人らしい(性質or職業)殺し方だが。
「ジャラッキ伯爵釣りへ行く」の最後で、犯人があまりに素早く次の布石を打つのを見て、関係者の将来に不安を感じていたところ、次号に続きが載っているではないかっ!即読みました。

ま、どっちもどっちーですね。

ポジオリ教授と助手「私」は初めて。コレ1作を読む限りでは、出来過ぎのステレオタイプの探偵と間抜けな助手で、余り魅力は感じなかった。
HMは、1作でもとても魅力的だったけどね。

こんな手の込んだ殺し方、ポジオリ教授を関わらせさえしなければ、絶対発覚しなかったでしょうに。
女の感、母の感恐るべし!

 ☆☆☆

Thomas S.Stribling
早川書房 『復刻エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジンNo.1-3』1995年10月31日初版
『エラリークイーンズミステリマガジン』No.1 1956年7、8月号掲載
訳:高石 三郎

魔の森の家-EQMM

The House of Goblin Wood

舞  台-イギリス エイルズベリ 7月
探  偵-ヘンリー・メルヴェール卿
著  者-カーター・ディクスン

goblin.jpg
頭部じゃないといいね、HM卿。




いい仕事してますねぇ。(犯人じゃないよ、作者)

バークリーを続けて読んでいたので、久々に『職人のパズル』に接した感じ。
なんといいますか、無駄な贅肉がまったくない 引き締まった美しい体を見るような、そんな作品
バークリー好き・動機好きの者としては「この人がこんなことまでするか?」とは思ってしまうのだが、もう そんな心理面は遥か彼方に置き去り、エンターテインメント、読者との知的ゲームに徹する潔さが気持ちがいい。

短編としては、『偶然の審判』に次ぐ爽快感かも!!

 ☆☆☆

Carter Dickson
早川書房 『復刻エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジンNo.1-3』1995年10月31日初版
『エラリークイーンズミステリマガジン』No.1 1956年7月号に掲載
訳:江戸川亂歩


Photo by 月とサカナ

おしどり探偵-早川書房

Partners in Crime

探 偵-トミー&タペンス
発 表-1929年 77年前
著 者-アガサ・クリスティー

Partners.jpg
クリスマスプレゼント♪



<あらすじ>
暇をこいてるトミー&タペンス夫妻に、秘密情報局の長官から「ブラント国際探偵事務所」の仮所長を頼まれる。この探偵事務所はロシアスパイの出先機関と思われ、スパイからの接触を待ちながら、探偵事務所を運営してくれということだ。
探偵業務に素人な二人は、小説の名探偵を真似て依頼を解決していく短編集。

 ☆☆☆

ホームズのパロディ・パスティーシュ集「シャーロックホームズの災難」に、おしどり探偵から「婦人失踪事件」が収録されていて、おしどり探偵にはロジャー・シェリンガムを真似たものもあると知り買ってみた。

15の短編が収録されており、ホームズ・ブラウン神父・隅の老人・ロジャーシェリンガム・フレンチ警部・ポアロなどがお手本?にされている。
他の探偵さんは自分が知らないので「真似されてるのかどうか」わからないが、十分楽しい作品だった。
特に良かったのは2つ。
ホームズは、似ているというより「ホームズが言いそうな事」が沢山出て来て笑えた。
一番はブラウン神父の『霧の中の男』。
プロットも独特の雰囲気も、本当にブラウン神父モノっぽい!!

ロジャー・シェリンガムが真似される話は
牧師の娘』The Clegyman's Daughter
タペンスがロジャーの真似ってことらしいけど、元々おしゃべりだし、特にロジャー・シェリンガムっぽいところは無いように思う。
名前が出てきただけって感じですかね。
ロジャーの真似するなら、情報収集だといって牛に会いに行って欲しいね、タペンス。

 ☆☆☆

<『婦人失踪事件』についての疑問>

「シャーロック・ホームズの災難[上]」を読んでから「おしどり探偵」を読んだ訳だが・・・
ホームズテーマの『婦人失踪事件』は両書に掲載されているが、内容が違うっ
「シャーロック・ホームズの災難[上]」の方は、「おしどり探偵」に載ってる
『桃色真珠紛失事件』の ①最初~依頼人がトミーの部屋へ入ってくるまでの部分に、
『婦人失踪事件』の ②依頼人に会ってから最後までの部分
を合わせたものになっている。
①にはホームズの名前が出てくるので、編者のエラリー・クイーンがくっつけちゃったのだろうか?


 ☆☆☆

ハヤカワ文庫<クリスティー文庫52> 2004年4月15日発行
訳:坂口玲子

不自然な死-創元推理文庫

Unnatural Death

舞 台-ロンドン、リーハンプトン 1927年4月~6月
探 偵-ピーター・ウィムジイ卿 37歳
発 表-1927年 79年前
著 者-ドロシー・L・セイヤーズ

Unnatural.jpg

<あらすじ>
貴族探偵ウィムジイ卿と友人のパーカー警部が「死因に疑問をもった場合、捜査を要求するのが公衆の義務か?」話していたところへ、突然割り込んできた男がいた。自分は医者で、死因に疑問を抱いた患者の解剖を要求し解剖してみたが、自然死以外のなにものでもなく、その結果 悪評が立ち患者は皆無となり廃業せざるをえなくなったと。
男は詳細は告げずに去ったが、興味を持ったウィムジイ卿は調査を開始。リーハンプトンで、癌で余命いくばくもない金持ちの老女が、医師の予想を裏切り急死したというものだった。
殺害方法も動機すらも不明のまま調査を進めていくが、関係者が謎の自然死を遂げていき・・・

 ☆☆☆

「ハムレット復讐せよ」と同時に買ったらしいが、コレも買ったことを忘れていた。何で買ったんだろう?
ちょうど、バークリーの1927年作品を読んでいるところなので、同年発表のセイヤーズを読むのも一興かと。

印象深かったのは動機、というか 殺さなくてはならなくなった理由-でしょうか。
初めて聞いたよこんなの。読者の想像外の出来事だよね。
事件発生=発表がリアルタイムの作品だから、時事問題とリンクしていて、発表当時はセンセーショナルだったのでしょうか?

ロジャーシェリンガムものと全く対照的で、
ウィムジイ卿のカンは外れないし、
警部は素人探偵にこき使われるし、
犯人は大した必然性もなく犯行を続けて、最後はきちんと締めくくって終わるし-探偵モノの王道ですね。
まったく、『雉も鳴かずば撃たれまいに』が犯人についての感想。
最初の犯行は完璧なのに、その後も手を汚す必然性が感じられない。ただ、余計なこととしか。
自然死に見せかけられる殺害方法を見つけたことと
自分の頭の良さ
に酔って、犯行自体が楽しくなったということなんでしょうか。

ウィムジイ卿が捜査を始めなければ、ニッピーは死なずに済んだのでは。南無~

<気に入ったトコ>
ウィムジイ卿の有能な探偵助手クリンプスンさんの採用理由について

『当局がいろいろ聞き出したいと思っている。だが派遣されてくるのは?大きな偏平足と手帳を持った男だ-私生活を言葉にならない一連の唸り声ですませているような男。ところが僕は、編みかけの長い毛糸のセーターを持ち、首にじゃらじゃら音のするものをかけたご婦人を差し向ける。ご婦人はもちろん、いろいろ質問する-それこそが周りが期待していることだ。誰も驚かない。そのうえ、いわゆる余剰人口が好ましく役に立つ形で解消される。いつの日か、僕の銅像が立つに違いないよ。こう刻まれてね。
幾千の余剰女性を
その品位を傷つけることなく
また自らも処刑されることなく
幸せにした
人へ』P-44~45

クリンプスンさん最高

 ☆☆☆

東京創元社 2002年3月15日 7版
訳:浅羽莢子


Photo by clef

ハムレット復讐せよ-国書刊行会

Hamlet,Revenge!

舞  台-イギリス ホートン地方 6月
探  偵-ジョン・アプルビイ警部
発  表-1937年 69年前
著  者-マイクル・イネス 31歳

Hamlet.jpg
着衣は無かったかと・・・^^;



<あらすじ>
ホートン公爵の邸宅・スカムナムコートで、公爵夫人の発案で 各界の名士を集めて素人芝居「ハムレット」を上演することになる。
上演前から謎の脅迫状が届いていたが、劇の最中に大法官オルダン卿が銃殺される。オルダン卿は国家機密書類を所持していたためスパイの仕業かと思われたが、書類は紛失していなかった。
続いて、犯行を目撃したと思われるインド人が殺害されて・・・

 ☆☆☆

おそらく乱歩の推薦文を読んだためかと思うが、この本を買ったことをすっかり忘れていた。そのため?予断も期待もなく読むことが出来た。

とにかく、登場人物が多い!
主な登場人物36人、うち容疑者31人!!
推理小説の巻頭にある「主な登場人物」は、"ページの下半分"位ってのが多いが、この本は2ページ丸々使ってるんだよ(泣)
日曜日に一気に読んだのでまだよかったが、時間をおいたら忘れそう。通勤途中で読んでたりしたら、何度も「主な…」ページを見なくてはならなくなるだろうな。
できるなら、一気に読むことをおススメする
ただし、個々の人物の特徴がハッキリしているので、31人という数のワリにはキャラクターは忘れない(名前は忘れるけど)。

容疑者が多いだけでなく、犯行動機も
①機密文書を狙うスパイ説 と
②オルダン卿個人への恨み説
があり、読者を振り回してくれます。
②の方では、作者マイクル・イネスの英文学者として知識が存分に披露され、犯行が起こった劇『ハムレット』の主題『復讐の遅延』-なんてのが、これまた推理小説ファンの心をくすぐるというか。
伏線もうま~く引かれていて、最後の方でパタパタと気持ち良く思い出させてくれるなど、とてもきっちり計画された推理小説だと感心。
特に、最後 挟み撃ちに会った令嬢の うまい隠れ方といったら!
犯人も、また犯人を暴く人も 意外でとても楽しめる作品だった。

ロジャーシェリンガムを読んだ後だったので、物語の最初から登場している探偵作家ジャイルズ・ゴット氏(34)が本書の探偵なのかとずっと思っていたのだが、巻末の解説を読んでアプルビイ警部が探偵(謎解きの主役)だったのだと…。σ( ̄∇ ̄;)
亡くなった方に続いてお気の毒なのが、このゴット先生。
劇が終わったら令嬢にプロポーズするつもりだったのに殺人事件が起こるは、ワインの味もわからない県警本部長に 無理やりポワロ役(全員の前で推理を披露)を押し付けられるは・・・かなり損な役回り。

伯爵夫人のご意向で、館内にエリザベス朝時代の舞台を作らせる。
この 幕が無く 奥が2階になっている舞台が犯行現場になるのだが、
復元されたグローブ座↓のような感じなのだろうか。
舞台の写真-Theatre Tours
舞台360度-Virtual Tour
グローブ座公式サイト


伯爵夫人の気まぐれから、国家的大事になるんだけどね…
令嬢エリザベスのぼやき(オフィーリア役やらされ)
「~娘の21歳の誕生祝に、白のサテンのドレスを着せて、二枚目役者に卑猥なことをいわせたあげく、溺死させて、埋葬までして、それが知的お大尽遊びだなんて、時代錯誤のお嬢様でなければいったい誰が考えつくのかしら」P-31より

インド人の死体を、目撃される危険を冒してまで移動した理由がよく判らなかった以外、とても満足した作品だった。




<ネタばれがあります>








容疑者の多さ・動機に翻弄されて犯人像を絞り込めないように思うが、何が一番の原因かと考えると
ドジで臆病な犯人と
頭が良くてやりすぎる犯人
のチームだったために、犯人像が1つにならないからじゃないかと。
だから、全体を(一つの意思で)説明しようとしたゴット先生や警部は迷走し、ある出来事のみを追及したダイアナとパイパーが犯人を見つけられたんじゃないかと思う。
特に、姿を見られる危険を冒してまでもオルダン卿に近づいて撃たなければならなかった犯人の心理を看破したダイアナはお見事!!すっごい納得。

 ☆☆☆

マイケル・イネス(Michael Innes) 1906年9月30日スコットランド生まれ
アプルビイ警部シリーズ等40冊以上のミステリ作品発表。
本名ジョン・イネス・マッキントッシュ・スチュアート 英文学者
英文学者としての著作「シェイクスピアにおける性格と動機」が有名

☆マイケルじゃなくて"マイクル"なのは、早川書房が最初にマイクルと表記したのがそのまま踏襲されているらしい。ふ~ん

国書刊行会 世界探偵小説全集16(2004年4月15日初版第2刷)
訳:滝口達也

オペラ座の怪人-ハヤカワ購入

月1回くらいは更新せんとな。
先週封切りの映画『オペラ座の怪人』を見たが、映画の感想記事は佃煮にするほどあるだろうから、ココはココらしく原作本を読もう。

book1.jpg

ガストン・ルルーは、黄色い部屋を読んだのだが、主人公の新聞記者・弾丸坊やルールタビーユの印象が、新聞記者だったというガストンルルー本人にダブっていて、どうもオペラ座の怪人のイメージと結びつかない。

文庫本は、角川(760円)・ハヤカワ(840円)・創元推理文庫(777円)の3つあり。
どの訳がよいものか、ネットで書評を探してみるがよく分らない。かろうじて角川が"読み易い"らしい。
翻訳ものはたまに、「これが日本語かコルぁっ!」と叫びたくなるような物もあるので、選択肢があるなら一番読み易い物が良い。

ジュンク堂で3冊比べて買おうと思ったのだが、ハヤカワしか在庫がなく、恐る恐る開く。

「はしがき-この風変わりな著作の筆者は、オペラ座の怪人が実在したという確証をいかにしてつかむに至ったかを、ここに読者に語る。」
イキナリこの出だしだが、まぁ嫌いではない。

巻末に訳者・日影丈吉さんの「怪奇小説のむずかしいところ」という文章がある。
『外国の怪奇映画を見るとき、注意しなければならないのは、外国人は怪談に対して、一種の神秘感があって、それを強調するためには、話がわからなくなっても構わない、といったところがある点である。そういう点が眼についても、だから、作品がよく出来てないとは思わないことだ。よく出来た映画にも多少そういう不思議な傷がある。外国人にはそこが不可抗力なのだと思って、我慢することにしようではないか。ルルーの努力は、それをどこまでも現実的に処理しようとしたことだと思う。P-474より抜粋。(太字はワタクシの処理)

太字部分の姿勢、大好き。購入。
ルルーに付き合って、『本当にあった話』姿勢で読むことにしよう。

振り向くと、後ろの書棚に「アブナー伯父~」の本が。
乱歩の新幻影城で紹介されていたので、いつか読みたいと思っていたものだ。一緒に購入。

し、しかしお値段が…
この厚さで920円とはっ!
書籍の価値は厚さではないが、文庫本の値段って、厚さで大体想像するけどな。
アブナー伯父の市場はかなり狭そうだから、取れる奴からはガッツリ取るということなのだろうか。

book2.jpg

ビューナス「見てっ!これで920円よ!」
ダイアナン「ひぃぃぃ~!」
2人も驚いています。

推理小説の読み時2

<エラリークイーンの「Yの悲劇」ネタバレあります>


小学校6年生位の時、書店で
エラリー・クイーンの 「Xの悲劇」「Yの悲劇」「Zの悲劇」
が並んでいるのを見て、タイトルが面白くて3冊とも購入した。

Yの悲劇が一番面白かったが、
犯人が、ほぼ自分と同じ年だったということもあると思う。

作品中でも、書評等でも「こんな子供に、こんなことができるはずが・・・」というトーンなのだが、同い年の自分から見ると「シナリオがあるんだから、こんなのできるに決まってるじゃん。なぜ大人は『できない』って思うのだろう?」と不思議に思ったことが強く印象に残っている。

今はじめて読んだとしたら、やはり「こんな子供がっ」って思うだろうな。
あの作品については、小学生の時に読んでよかった。

登場人物(主に犯人?)と同世代で読んでみるのも、”旬”なのかも。
推理小説に限ったことでは無いけれど。


《推理図書館にて》

天本司書「ぼぉや~、いくつだいぃぃ」
小林少年「12歳になります。」
天本司書「じゃぁ、これを読むといいよぉぉ」
小林少年「どうしてですか?」

天本司書「・・・読めば、分るよぉぉ」 ( ̄ー ̄)/~~~

推理小説の読み時

先週、横溝正史の「獄門島」角川文庫を読んだ。

舞台は 瀬戸内海の中程、獄門島
時期は 昭和21年、9月下旬~10月初旬の雨模様の時期

まさしく、今が読み時だ。

いつ読んでも面白いものは面白いが、同じ季節に読めば、臨場感倍増間違いなし。
同様に、事件の舞台になった場所へ旅行に行った際読んだりするのも楽しいだろうな。

そういうこと教えてくれる、『推理図書館』があったらいいのに。
天本英世さんのような司書(見る?)がいて、
天本司書「今はねぇぇぇ、これがお勧めだよ~。」

小林少年「明日、3人殺されるのありますか?」
天本司書「4人でもいいかいぃぃぃ?」

毎日行っちゃいそうだな

プロフィール

検 索


カテゴリ内新記事20

今までの記事

リンク

atom.gif

rss20.gif